TOEO外伝 その7

ラシュアンの村から少し離れた草原で2人は向かい合っていた

1人は格闘家、もう一人は猟師

お互いを睨み合い、今にも勝負が始まりそうな雰囲気の中

ファーマーがその行方を見つめていた

シールズ　「一応、ルールを決めとこうか」

リッド　「そうだな、どちらかが負けを認めたらそこで終わりにしよう」

ファラ　「2人とも本当にやる気？」

リッド　「俺が勝手に申し出たんだ、ファラは気にすんなよ」

シールズ　「まさかあなたとやれるとはね…」

ファラ　「もう止めても無駄みたいだね…」


相手が素手であることに気づいたシールズが

シールズ　「武器は使わなくていいの？」

リッド　「お前だって武器を持っていないだろ？だったらそれに合わせる」

シールズ　「本当はあなたと勝負する気はなかったけど、やるなら武器を持ったほうがいい。後悔するよ？」

リッド　「気にすんな、これでもファラに組手をやらされてたからな」

そう言うとリッドは構えをとった


シールズ　「それじゃあ始めようか！」

リッド　「いいぜ！」


そう言うとリッドが距離を詰め、拳を繰り出していく

くんっ

シールズはかわし、逆に懐に飛び込もうとするが

サッ

リッドは素早く下がり、すぐさま距離を詰め再び拳を繰り出す

シールズ　「くっ！」

ガシィ！

シールズは避けきれず、拳をガードする
そして、たまらずに距離を取るために後ろに飛びのくが、リッドはそれを追いかけるように間合いを詰めひたすら攻め続ける

ファラ　(リッドは相手よりも体格とリーチで勝っていることがわかってるみたい。このままの間合いを保ち続ければ勝てるけど…)

シールズは攻めを凌ぎ大きく間合いを空ける

シールズ　「さすがにやるね」

リッド　「そう思うなら本気で来いよ」

シールズ　「出せたらね」


リッド　(とは言え、このままいけば勝てるはずだ！ここは一気に行くぞ！)

リッドは思い切り踏み込んで右拳をシールズに向かって突き出す！

くんっ

リッド　(！？)

かろうじてかわすが、リッドは驚いたように後ろに飛び退く！

リッド　(何だ！今のは！？)

シールズはニヤリと笑う

ファラ　(あの子！向かってくる腕に対してほんの一瞬だけ…間接を極めたの！？)


リッド　(今のは本気だったら折られていた……だが落ち着け自分の間合いで戦うんだ…)

リッドは拳を繰り出すが徐々に押され始める

ファラ　(今リッドの腕を取った事が効いてる！このままじゃ間合いを詰められる！)

シールズ　「おおおおおおお！！！」

リッド　(早い！？)

苦し紛れに繰り出す腕を取られ一気に背負われ、頭から地面に落とされる！

ファラ　「リッド！！！」

地面に当る瞬間にリッドの頭を足で払い、間一髪背中から落とす…

ファラ　(ぞくっ…)


背中を押さえながらリッドが立ち上がる

リッド　「痛ててて…」

ファラ　「大丈夫？リッド！？」

リッド　「大丈夫、怪我はない」

シールズ　「降参してくれるかな？」

リッド　「参った…俺の負けだよ…」

シールズ　「あなたは武器無しだった…だから引き分けだよ」


ファラ　「勝負は終わりだよね？」

シールズ　「勝ったとは思ってないけどね、でも終わりにしておこう」

ファラ　「じゃあ…ひとまず村に戻ろうか」

リッド　「そうだな…さすがに疲れちまったしな…」


ファラ　(最後の技……多分投げた後、頭を地面に打ち付ける瞬間に頭を払うのではなく蹴りを入れる技じゃないかな……思った以上に強い…)


その8に続く


■コメント■


はるっぴ

ここで終わりってどうなんだろ？ｗ
ただあの人は両成敗出来兼ねないから困る＾＾；