TOEO外伝 その3

ここは、最果ての村ラシュアン

豊かな緑に囲まれたこの村では、農業が営まれ

狩猟や特産品であるラシュアン染めの生産などによって生計が立てられている

人々はのどかな空気の中のんびり暮らし、あの日以来、変わらない毎日を送っている


今日も日々の糧を得るため、一人の猟師が狩りに出かけていた。

すでに数匹仕留めた猟師は最後の獲物を探している所だった

森の中を注意深く進んで行くと獲物を発見する。

猟師　「今日はこれで最後にするか…」

そう呟くと、猟師は心の中で祈る…

猟師　(悪いな…これも生きるためだ……)


獲物に悟られないように木陰に隠れつつ静かに斧を構える。

そして、まさに飛び掛ろうとした瞬間……

獲物が突然走りだす！


獲物が走る先を猟師が目をやると……

そこには、緑の髪の少女が立っていた

猟師は一瞬目を疑う。

猟師　(あれは…あいつ？いや違う！)


その子に獲物が飛び掛っていく！

猟師　「危ない！！」

少女　「えっ！？」


くんっ

その少女は間一髪、鋭い牙をかわす


猟師　(今だ！！)

猟師　「そのまま動くな！」

猟師　「魔神剣！！」


ドサッ………

斧から放たれた衝撃波によって獲物は仕留められた


少女　「びっくりしたなぁ…」

横たわる獲物を横目に見ながら呟く少女に猟師は怒りながら言う

猟師　「危ないだろ！何故一人でこの森に入ったんだ！」

少女　「ごめんなさい、ちょっと迷っちゃって……」

猟師　「そうだったのか……一体何の用でここに来たんだ？」

少女　「人を探しにきたの」


猟師　(人探し？だったらまさか…)

猟師　「それはまさか英雄ってやつじゃないだろうな？」

少女　「そう！よくわかるね…あなた天才だね……」

猟師　「んなわけねぇよ！、この村に来るやつは大抵そうだったからな」

少女　「ふ～ん…」


少女　「で、英雄の一人があなた？」

猟師　「何でそう思うんだ？」

少女　「さっき獲物を仕留めた技を見れば大体わかるよ」


猟師　(こいつも英雄に会いにわざわざ何もない村に来た観光客なのか？)

猟師はめんどくさそうに答える。

猟師　「英雄かどうか知らんが世間ではそういうことになってるらしいな…」

少女は驚きながら答える

少女　「じゃあ、やっぱりあなたがリッド・ハーシェルなんだ！！」

リッド　「まぁな……俺になんか用か？」

少女　「英雄を一目見たかったってとこかな」

リッド　「まったく…外から来るやつはそんなんばっかりだよな……」

少女　「まぁそれだけじゃないんだけどねぇ」

リッド　「なんだ？そりゃ？」

少女　「まあまあ、それは後で…」

リッド　「用があるならさっさと言ってくれよ」

少女　「それよりもさ……」

リッド　「何だ？」

ぐぅ～……とお腹の虫が鳴く


少女　「……お腹空いちゃったよ…」

リッド　「何だそりゃ…」

少女　「お願い！ラシュアンのおいしいもの教えてください！」

リッド　「しょうがねぇなぁ……」


リッド　(何考えてるかわからん奴だけど…)

リッド　「まぁいい…ここは危ないし、そろそろ帰るつもりだったから村まで案内してやるよ」

少女　「ありがと！」

少女は目を輝かせて答えた

リッド　(何かあいつと雰囲気似てるかと思ったけど全然違うよな…)


リッド　「じゃあ、あんたの名前ぐらい教えてくれよ」

少女　「そうだね…私の名前は……」


「シールズだよ」


その4に続く


■コメント■


杳さん

残念！ファラはそれぐらいじゃ倒せません！
ていうか倒れんでくれ＞＜

にしても懐かしい技だなぁ